岡部憲治 の 戯言記

‘コンテンツ’ カテゴリーのアーカイブ

e-ラーニングの広がりは、ガラパゴス化を防ぐのかあるいは広げるのか

2009/05/13

カテゴリー: コンテンツ


◆教育関連ニュース「ネットカフェでe-ラーニング」でも書いたように、e-ラーニングの裾野はどんどん広がっている。

たとえば、塾。

 

会社名

商品名

価格

備考

ベネッセ コーポレーション

進研ゼミ中学講座プラスアイ

6800円

月額

通常の通信添削に、電子教材を加えたもの。

Z会

「映像コース」

7万9100円

90分×28回で

年度末まで繰り返し視聴可。

城南進学研究社

城南マナビックス

4750円~6300円

小1~中対象

トライグループ

遠隔家庭教師
「トライ@HOME」

3500円

1時間

トライグループ

講座の動画配信
「トライ e カテイ塾」
2500円~3500円 1科目 月額

トライグループ

教材ダウンロード
「トライ e NAVI」
2480円~2980円 10万種類の教材を
何度でもダウンロード

 

場所と時間の制約から解放され、安価となれば段々、(顧客)ユーザーは増えていくだろう。

特に、フェローの鈴木さんが「通信教育ウェブサービスの可能性」で書いているように、海外在住の子どもたちにとってはとてもありがたいサービスだ。

 

◆だが、その一方でビジネスの大きさ(スケール)で考えると、日本で展開されているe-ラーニングは世界の同業他社とは戦えない。だって、ターゲットがほぼ国内のみ、つまり、日本語が前提なのだから。

 

◆たとえば、記事でも紹介した Lynda.com のように英語で作成されたコンテンツ。

内容的には、動学.tv とかぶるところも相当あるはずだが、動学.tv のターゲットとなるユーザー数とLynda.com のターゲットとなるユーザー数では圧倒的な差があるはず。 なにせ、日本語人口と英語人口の差がそのまま反映するのだから。

 

◆最近、i-phone向けのアプリで、ダウンロード数が1位になった日本の中小企業や世界中から相当数、ダウンロードされるアプリを作った日本人のニュースを目にしたが、これは「日本語」というカベがないので、世界で同じ土俵で戦って勝ち抜いた結果だ。

 

◆アプリだったら言葉を必要としない場合が多いが、e-ラーニングには必ず「言葉(読・書・聞)」がつきまとう。

このままの状態ではパイの食い合いが起こるだけだ。

だったら、日本発の世界の英語人口をターゲットとしたコンテンツ開発をしてみるのはいかがなものか。

 

◆それがガラパゴス化を防ぐ一方、日本語人口をターゲットにしたコンテンツにも磨きをかけ、いい意味での「ユニーク性」を保つのではないでしょうか。

 

 

参考: 読売新聞 「塾通いよりもネット学習…月謝、送迎の負担軽く」

タイムラグの縮小が著作権を変えていくのか ?

2009/04/27

カテゴリー: コンテンツ


◆ついに、スタートした高橋留美子さんの新連載「境界のRINNE」。1話目が無料でWEBで公開されるだろうなぁとは思っていたが、よもや掲載と同時に英訳され海外に配信されるとは思いもよらなかった。。。

小学館や集英社などが出資する米国企業で、マンガの翻訳出版を手がける「VIZ Media」が英訳版を作成。同社が運営する高橋さんの英語版公式サイト(http://therumicworld.com)で第1回の配信を始めた。会員登録が必要だが無料。アクセスは北米からしかできず、印刷は不可。サンデー発売日の毎週水曜に更新していく。小学館によれば、「日米同時連載」はマンガ史上初の試みだ。(朝日新聞より)

 

◆「鋼の錬金術師 Full Metal Alchemist」も日本と同週の放送、配信がアメリカ、フランス、オーストラリア、東南アジアで行われている。タイムラグがほとんどない。

昔のハガレン放送時は、海外で放送されたのはけっこう後で、タイムラグがあった。

 

◆実際、ネット上にはすぐにマンガやアニメの海賊版がご丁寧に英訳、中国語訳字幕付でアップされることが多々ある。

アニメにいたっては、例えば中国語字幕をつけているグループ名(例:○○○○組)が、そのアニメのオープニング曲でタイトルが出るとき、まるで本物のクレジットのように表示されるのだ。

 

◆今回の試みのように日本と世界の公開にタイムラグがなければ↑のような行為も減り、コンテンツ産業のボーダーレスなビジネス展開が本当に成立していくのかもしれない。

 

◆もっとも、本格的に軌道にのせるには、違法問題やビジネススキームのあり方を検討する必要はまだまだあるだろうが。。。

・Youtubeには、昨日に放送されたアニメがアップされてたりとか。。。

・ガンガンONLINE(マンガ)は無料だったり、佐藤秀峰さんは自身のサイトから「新ブラックジャックによろしく」を新作30円、旧作10円で配信するというし。

 

◆つまりは、これすべて

 

○「著作権」と「関係者」のあり方

○「著作権」と「お金」の配分

 

に集約されるのではないだろうか。既存の「出版・広告」のビジネスモデルがITによって変革を迫られ、ひいてはそれが「著作権」のあり方にまで事が及んできた。そんな時代の流れを感じるが。。。

 

 

 

※個人的には、日本のコンテンツはすごいと思うので、

「日本では無料。でも、海外で見たい人は金とるよ」

というスタンスでいいかなと(ネットなら、海外IPだったらお金発生とか)。

 

英訳・中国語訳されたものを売るというモデルもありだが、大もうけには至らないだろう。

それに、結局、最後は日本語で読みたい(理解したい)に行き着く人がほんとに多い(アメリカや欧州、豪州なんか見て、話して思ったこと)。最近は、「アニメのアフレコ大会(日本語で)」まで行われているらしいし。

 

だったら、「言語戦略としての日本語の世界への拡大」を視野に入れると、今の英語のような「コンテンツではなく枠組みつくったもの勝ち」的な戦略が取れる。

 

①最初は何でも無料

②翻訳したコンテンツを低価格で提供(日本語熱拡大の下地=言語戦略としての日本語の世界への拡大)

③海外の日本コンテンツ要望者への正規価格で提供(コンテンツではなく枠組みつくったもの勝ち)

 

今は①と②の間で、「コンテンツで損して、言語で得とれ」ってことかなー。。。(わけわかんないですね(w )。

 

 

 

関連リンク:

高橋留美子さん新作、英訳ネット配信 海賊版に先手

「新ブラックジャックによろしく」、新作30円、旧作10円で作者サイトから配信

ガンガンONLINE(完全無料のONLINEWEB雑誌)