◇CNN(09年4月12日)によると、
米カリフォルニア州レークエルシノア(CNN) 住人が去り荒れ果てた家の前に、「売り物件」の看板。隣のよく似た家では、引っ越してきたばかりの子どもたちの笑い声がはじける――。全米の住宅地で、そんな光景が目につく。ローンが払えず、差し押さえなどで家を失った家族と、格安で売り出された物件を手に入れてマイホームの夢をかなえた家族。当地でも明暗はくっきりと分かれている。
◇家は、もともとは、というか遠い昔、必需品だったはずです。
◇しかし、それが投機の対象になって、サブプライムローンのように金融商品化されてしまいました。
◇そうなると住まう空間というだけではなく、オカネを生みだす便益品になったわけです。
◇フランク・ロイド・ライトは、家というのは壁や屋根のような物質的なものを指すのではなく、
そこに住まう虚空として空間なんだとタオイズム的な発想をしていました。どこかで岡倉天心の
「茶の本」を読んだのかもしれません。ライトはフェノロサに影響を受けていましたから。
◇タリヤセン・ウェスト(ライトの建築学校)に行くと、弟子たちが作った最小限の材料でコストをかけずに
住まう空間をデザインしている跡があります。
◇これは、必需品としての住まう空間ですね。これをコアにフランク・ロイド・ライトはアーティスティックな
建築デザインもしていきますが、大事なことはそこにも住まう空間が広がっているということです。
◇今回の世界同時不況で、カリフォルニア州の隣り会う明暗同様のことが、あらゆるビジネス領域で
起こっているはずです。
◇便益品ではなく、必需品に対価を払うところからスタートするわけです。
◇しかし、人間の欲望は、それで満足はしません。付加価値だとか便益的価値とか
が加わるのは当然です。
◇そのときです。付加価値とか便益的価値とかが、価値=価格にならずに、人の存在とは
何か、自然と人の循環とは何か、その循環を維持する社会のシステムとはとは何かという
価値を考える姿勢が市民全体に浸透するといいのですが。
◇アダム・スミス的には経済における「道徳感情」ということになるのでしょうか。新しい経済感覚
の誕生を期待したいところです。