☆別府という自然環境、別府を未来都市にするための都市デザインシミュレーションのチャンス、立命館グループの人的物的リソース、APUキャンパス及びITインフラ環境の充実度、寮棟群の満足度、横断的学際的かつプラグマティックなシラバス(CAP)の豊かさなど、APUのマルチ・インテリジェンスを形作るネットワークの多様さに驚かされる。
☆また、アドバイザリー・コミュニティという奨学金支援、就職支援、インターンシップの受け入れ、講演会支援などを実施する有力企業や有識者による組織づくりは、APUのビジョンの自己実現力の高さを証明している。
☆しかし、何よりも凄まじいのは、6000人強の在学生のうち約50%が留学生であるということである。キャンパスを訪れれば、すぐにわかるが、パーフェクトに海外の大学そのものである。現在90カ国弱から留学生が在学していて、英語と日本語のみならずそれ以外の言葉で話している。
☆夜、別府市内を散策したときに、5人の学生とすれちがったが、1人はドイツ語で携帯電話をかけ、2人は英語で話し合い、もう2人はアラビア語系の言語で話し合いながら歩いていた。そんな姿が、キャンパスを埋め尽くしている。
☆大分合同新聞(2009年12月1日)によると、「人口10万人に対する留学生の数が大分県は339.8人となり、東京都(329.4人)を抜いて初めて全国1位になった。定員の半分近くを留学生が占める立命館アジア太平洋大学(APU・別府市)の存在が大きい・・・」ということだが、なるほど実感なのだ。
☆いずれにしてもこんなに留学生があふれている大学は、日本では他にない。しかし、量より何より質がすごいのだ。チームワーク、コミュニケーション、メンター、リーダーシップ、リサーチ力、プレゼン力などサバイバル能力をベースにした学生の人間力の大きさに驚愕なのである。
☆国際理解教育、キャリア教育などをどうするか悩み苦しんでいる中高や大学が多いが、まずはAPUを体験するのがよいだろう。昼食時にラウンジで学生とディスカッションすれば、日本の未来の教育、未来の人材育成のヒントがそこにあることに気づく。この気づきの拠点がAPUの存在意義の1つであろう。


[...] ◇かえつ有明サイエンス科の取材を通して、私立学校の教育環境がもつ可能性というものを何度も感じさせられてきました。例えばクリティカルシンキング(CT)に対する考え方もその一つです。前回書いたように、クリティカルシンキングは、いわゆる「考え方のフォーム」を通して獲得していく「スキル」であるばかりではなく、相手が異なる存在であることを前提としたリスペクトを養成することでもあるといったことは、かえつの先生方との対話を通して、気づかされたことです。 ◇CTがロジカルシンキングに役立つという文脈は、これまでもビジネス書などで紹介されているのですが、かえつの先生方は、そういったスキル(知育)だけではなく、思春期の子どもたちが葛藤を乗り越えて成長していくための推進エンジンになり得るという文脈でCTをとらえているのです。 ◇クリティカルに思考する対象は他人だけでなく、当然自分自身にも向かいます。そのプロセスから、やがて相手に対するリスペクトが生じるわけです。そうでないとCTは、単なる無責任な他者批判に終わってしまいます。 ◇これからのグローバル化が進む社会では、異文化理解能力がますます必要になります。トリニティ教育研究所の本間氏がブログで立命館アジア太平洋大学のキャンパス訪問記を書いていますが、これを読むと国際学生と学び合う環境が日本にも少しずつ広がってきていることが伝わってきます。異なる他者への理解力とコミュニケーション能力がますます必要になってくるでしょう。 ◇石川教頭先生が教職員会議で話したという年頭挨拶には、かえつ有明が2050年の社会を見据えて教育をしていく決意が表明されています。 ◇「変動する世の中にどうしたら各人が積極的に貢献することが出来るかをしっかりと考えさせる。これこそがかえつ有明のキャリアデザイン」だと話をされるとき、かえつ有明の校訓である「怒るな働け」は、サイエンス科のCTが依拠する判断の基準として奥深いところでつながっていくのかもしれません。 [...]