本間勇人 の Goodware Times

立命館アジア太平洋大学(APU)の存在意義[02] APUサバイバル能力

☆APUでは、留学生があふれていて、チームワーク、コミュニケーション、メンター、リーダーシップ、リサーチ力、プレゼン力などサバイバル能力をベースにした学生の人間力の大きさに驚愕したのであるが、その1つの分かりやすいケースは、マルチカルチャラル・ウィークというイベントだろう。

 

☆中国、タイ、ベトナム、ラテンアメリカ、モンゴル、日本、台湾などいくつかの国・地域の民族料理や歌・ダンスなどを通じてその国の文化・言語を紹介するのが目的。私たちが訪れた時は台湾ウィーク。ランチのときラウンジで、台湾料理を紹介していたり、ちょっとしたパフォーマンスがあったり、ブースで文化を紹介していたり、ホールではパフォーマンスの準備がすすめられたりしていた。ホールで行われた今までのパフォーマンスのいくつかはYouTubeに投稿されているので、検索してみるとよい(たとえば、ベトナム・ウィークの画像などおもしろい)のではないだろうか。

 

☆さて、台湾ウィークでは、もちろん台湾出身の学生が中心となって企画運営をするのだが、他国出身の学生も参加するわけだから、異文化を肌身で感じることができるイベント。ボランタリーで参加型異文化体験となっている。

 

☆問題は、企画運営はコアメンバーが進めるにしても、パフォーマンスに参加する多くの学生とどのようにコミュニケーションをとるかその組織作りだ。どこかの企業が行うのだったら、費用を払って、全員でリハーサルを行えるが、APUの学生生活の基本は徹底した勉学なのである。寮であるAPハウスでは、夜中の1時まで勉強しているという。だから、勉学の合間で効率よく準備をしているのだ。

 

☆とはいえ、短期間でラウンジが運営者で埋まるほどの人数の学生が、まるで以心伝心のように動けるのはどうしてなのだろう。実はこれがAPUの学生のチームワーク、コミュニケーション、メンター、リーダーシップ、リサーチ力、プレゼン力などサバイバル能力の面目躍如なのである。

 

☆そしてなんといっても、APUキャンパスにあふれているIT機材が、このサバイバル能力を拡張するのである。IT機材とインターネットがないと、講義も企画もイベントも遂行できないくらい高水準の当たり前知=暗黙知ができあがっている。

 

☆マルチカルチャラル思考としてのサバイバル能力とITの暗黙知のインテグレーションは、時空を超えられるのだ。コミュニケーションのクラッシュは、互いの理解不足もあるが、情報のやり取りの遅滞という技術的な問題が実に大きい。互いに思いは通じていても、情報渋滞が、無駄なコストを山積させるのがハイパー近代社会のリスクなのである。しかし、MCThinkingとTacitITを統合しているAPUの学生にとっては、このリスクは乗り越えられるのだ。

 

☆マルチカルチャラルというのは多言語主義だから、意志の疎通に苦労はしない。互いの時間のGAPはスカイプで、情報交換することによって解消できるし、YouTubeでダンスや演奏のモデルを情報交換できる。組織をチームに分けておけば、どこかでそれぞれがリハしておいて、あとは本番でいっせいに息を合わせるだけ。

 

☆自律分散協調系とは、前東大総長が提唱していたが、それがすでにAPUでは実践されてきたのだ。就職内定率95.6%というのは、APUサバイバル能力の証明でもあるのではないだろうか。

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