◇アメリカ発の金融危機以来、大学進学も内向き志向になる気配があります。メディアもすっかり「嫌米ムード」です。しかし、グローバル経済でつながっている時代ですから、国内にとどまっていれば安心ということはありません。新型インフルエンザだって、あっという間に世界を駆け巡る世の中です。こういう時こそ外に目を向けることが必要かもしれません。
◇そういうわけで、今回は、アメリカのリベラルアーツカレッジに進学したある女子生徒の話をします。
◇彼女は、某私立中高一貫校に通う生徒でした。帰国生というわけではなく、高校1年生のときにアメリカに短期留学した経験を持つごく普通の国内生です。しかし、その短期留学でアメリカの魅力にとりつかれた彼女は、海外大学進学への希望を膨らませて母親にその話をします。母親は彼女の夢を受け入れ、応援するのですが、姉妹の教育費を捻出する必要がある現実を伝え、「全額奨学金を取れるならば」という条件を出しました。
◇そこから彼女の猛烈な勉強が始まります。アメリカには奨学金を出す大学は多数ありますが、学部レベルの留学生に全額支給というのはさすがに稀です。しかし、ある団体の全額支給の奨学金制度があることを知った彼女は、国内の大学受験を目指す以上のひたむきさで勉強し、合格者が毎年わずか3~5人程度とされるその奨学生に選ばれたのです。
◇渡米した後の努力も本当に凄いものでした。小さい体のどこからそういうエネルギーが出てくるのか不思議なくらいバイタリティに満ち溢れているのです(毎日の睡眠時間は平均で4時間程度と言っていました)。そのリベラルアーツカレッジで学んだ後に、医学の道を志すことを決意し、米国でのインターンシップやインドの山奥での医療ボランティア活動を経て、現在は日本の国立大学医学部へ学士編入を目指しているとのことです。
◇国内の大学受験情報というと、医学部の定員が増えたとか、国立大の後期日程がなくなったとかいう話ばかりで、何か肝心な情報が欠けているような気がします。これからの社会トレンドがどうなるかとか、どういう業界に就職すれば安心かとかではなく、突き動かされるように自分の道を切り開く情熱や、サバイバルスピリットこそが大切なのでしょう。

