鈴木裕之の発言

2010 年 3 月 のアーカイブ

新しい学習プログラムの試み 9 -かえつ有明中高「サイエンス科」その9

2010/03/04

カテゴリー: 学校, 学習プログラム


 フォームとプロセス
◇サイエンス科リサーチブックを作成している図書館司書の眞田章子先生に話を伺いました。かえつでは、女子校時代から総合学習をやっていた伝統が素地としてあり、それが教科横断的なサイエンス科の誕生につながっています。さらに当時からずっと模索してきた探求型学習が、今のサイエンス科に発展してきたのは、「BIG6」というアメリカの情報リテラシーの手法を取り入れたことが大きいと眞田先生は話します。
 
◇言語技術的な面を重視することは、日本でも戦後すぐの時代に、国語教科書の「言語編」で試みられていたようです。実際に「言語編」教科書を見たという眞田先生は、その質の高さに驚くとともに、それが消えてしまった日本の教育状況に危機感を覚えたそうです。だからこそ、フォームやプロセスを重視したサイエンス科の存在意義をいっそう感じているのです。
 
 自己表現の力
◇高校の必修科目である「情報科」でも、「サイエンス科」との連携を進めています。「情報科」は、2003年から普通科高校に必修科目として新設された教科で、情報の収集・分析・編集などのスキルを、コンピュータを使って習得します。中山忠先生は、アプリケーションソフトの利用を前提としながらも、最終的には、誰もがわかるようなプレゼンによって自己表現する力が大切だと話します。
 
◇その評価についても、サイエンス科との情報交換をするようになって以来、「自己表現の中身」に積極的に踏み込んだ評価ができるようになり、「情報科」が扱う内容の幅も広がってきたということです。
 
 キャリアデザイン
◇英語科の永井仁先生は、サイエンス科で重視しているクリティカルシンキングは英語学習において日常的に活用していると話します。文法事項ひとつとっても、解答を与えてしまうより、生徒に「なぜ」と問いかけることが、有効なトレーニングになるそうです。また、英語という教科は、文化や習慣などを比較する場面が数多くあり、実際のコミュニケーションの場面でCTを駆使することが、これからのグローバルな社会では、必要となると話します。例えばNoと言われても傷つかないように自分の気持ちをコントロールできることは、文化の違いについてCTする能力が前提になるわけです。
 
◇また、情報があり過ぎる状況で、自分が取り入れるべき情報に自覚的かどうかは、勉強や学びだけではなく、生き方を決断するような場面でも重要になると、CTがキャリアデザインにも通じる力であることを指摘していました。